プレスリリース:熱電変換材料の性能向上に向けた新たな指針

newsrelease 20250821

異種結晶材料の接合による電子ーフォノン相互作用の制御と、熱電特性向上の研究成果についてプレスリリースしました。

プレスリリース:金属と絶縁体を重ねて熱電変換電圧を10倍に増大

 

金属のLaNiO3絶縁体のLaAlO3で挟んだ人工積層構造を作製し、熱電変換の起電力を増大させることに成功しました。上下に接するLaAlO3のフォノンがLaNiO3の電子を引っ張るフォノンドラッグ効果により、1°Cあたりの温度差で得られる熱起電力が10倍に増加することを発見しました。

さらに、このフォノンドラッグ効果はこれまで–240°C付近の極低温でしか発現しないとされてきましたが、–53°Cと比較的室温に近い温度でも有効に働き、室温に近い低温で高い変換性能を示す材料の設計に役立つことも明らかになりました。

異なる物質を重ねた構造を設計することで熱電変換材料の性能を大きく向上できることを示した本成果は、熱電変換技術の普及に向けた新たな材料開発指針となることが期待されます。

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Masatoshi Kimura, Xinyi He, Takayoshi Katase, Terumasa Tadano, Jan M. Tomczak, Makoto Minohara, Ryotaro Aso, Hideto Yoshida, Keisuke Ide, Shigenori Ueda, Hidenori Hiramatsu, Hiroshi Kumigashira, Hideo Hosono, Toshio Kamiya

Large phonon drag thermopower boosted by massive electrons and phonon leaking in LaAlO3/LaNiO3/LaAlO3 heterostructure

Nano Letters, vol. 21, iss. 21, pp. 9240–9246, 2021.

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